はじめに
日本一の神様ってどんな神様でしょう。
一番の定義はいっぱいありますけど、色々な一番を書いていこうと思います。
中には勝手に一番にする神様もありますけど、神様のような広い心でお許し下さい。
日本一の神様 日本神話
「多い」
では最初の一番は、日本で一番「多く」祀られている神様です。
日本には約8万の神社が存在し、神様を祀っていますが、日本で一番「多く」祀られている神様は、有名な伊勢神宮に祀られている皇祖神、太陽神である天照大御神や、八幡さまで有名な誉田別命こと応神天皇、天神さまとして有名な菅原道真をおさえて一位の「宇迦之御魂神」です。
・・・・・・は?・・・・誰?読めない。
しかもその数3万2千社!名もない小さな社まで含めれば4万とも5万ともいわれています。
この神様、ウカノミタマノカミと読みますが、俗にいうお稲荷さんです。
お稲荷さん
宇迦之御魂神(以下ウカノミタマ神)は「古事記」ではスサノオ尊とオオイチヒメ命の間に生まれた子供とされていますが、「日本書紀」ではイザナギ命とイザナミ命が大八島をつくって、「腹へったな」てな感じでウカノミタマ神を生み出されたとあります。
この時はウカノミタマ神=お稲荷さんではない。
日本人の生活上、特に古代日本において農業、食物の主役は穀物であり、とりわけ稲はその中心でした。
渡来系豪族の秦氏が自分たちの氏神として穀霊神、農耕神として稲荷神を祀ります。
※稲荷は「稲生る」からきている(諸説あり)。
秦氏の勢力拡大に伴いこの稲荷信仰の信仰圏は拡大、いつしか古くから信仰され性格が似ているウカノミタマ神と結びつき、ウカノミタマ神=お稲荷さんとなりました。
諸産業の神様へ
そんな経緯でウカノミタマ神は食物をつかさどる神様として、ふだんは稲荷神として活躍することになり、仏教と習合したり、地元の民間農耕信仰を巻き込んで八百万の神様の中でも代表的な神様となっていきます。
さらに商業、工業の盛んになると人間の新たな欲求にも柔軟に対応して諸産業の神様(百貨店の神様とか)へと神徳を拡大して現在に至ります。
おわりに
稲荷神を祀る稲荷社の祭神には、トヨウケ大御神など性格の似た神様を祀る場合もありますが、この場合は食物をつかさどる神という性格上、ウカノミタマ神と同一神と考える場合が多いです。
・・・ん? そのカウント方法ってあり?・・・
って思いましたが、そこは日米通算安打記録みたいなものとして、古代から続く日本人の許容範囲の広さで受け入れましょう(笑)